NHKのテレビ番組で、プロフェッショナル仕事の流儀「過労死と闘い、命を守る-弁護士・川人博-」という番組がやっていました。
番組を見て、日本の労働環境はひどいなと改めて思いました。
日本人は、なぜ死ぬまで働いてしまうのだろうか?と疑問に思います。
私には、日本には、本当に死ぬまで働くことが良いことだと思っていなくても、死ぬくらいの気合で働くことを良いことだと思っている文化があるように思えます。
プロフェッショナル仕事の流儀「過労死と闘い、命を守る-弁護士・川人博-」における過労死の事例
NHK佐戸未和記者の場合
亡くなる直前の1か月の電通時間外労働は159時間
電通の高橋まつりさんの場合
亡くなる前の1ヶ月間の残業時間は105時間
システムエンジニアの幸信さんの場合
亡くなる前の1ヶ月間の残業時間は100時間時間以上
システムエンジニアの西垣和哉さんの場合
亡くなる前の1ヶ月間の残業時間は120時間時間以上
東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の現場監督の男性の場合
亡くなる前の1ヶ月間の残業時間は200時間時間以上
一般的には、「過労死ライン」とされる時間外労働時間(残業時間)は、1ヶ月に80~100時間の残業を行うことだそうです。
NHKのテレビ番組の過労死事例は、一般的な「過労死ライン」をはるかに超えている事例が多かったようです。
一般的な「過労死ライン」の1ヶ月に80~100時間の残業状態を考えてみても、週5日勤務で、毎日4~5時間残業しないと到達しません。
ですので、8:00~17:00が定時の会社であれば、おそらく毎日8:00~22:00まで働くと「過労死ライン」に到達します。
私は、会社員時代、最も残業した時でも、せいぜい月の残業時間は、70時間程度でした。
それでも夜12時頃まで、残業する日が何日か続いた時には、本当に体調が悪くなったり、業務中も気分が悪かったりとかなり悪いコンディションになりました。
「過労死ライン」の残業時間を越える程働くことが、「いかに危険な状態をもたらすのか?」と感じます。
過労死・過労自殺で毎年400~500名死んでいる
2006~2015年度において、過労死・過労自殺で亡くなられた人数は、毎年400~500名いたようです。
数値的には、毎日一人以上の方々が、過労死・過労自殺で亡くなられている計算になります。
日本人は、本当に死ぬまで働いてしまう人がたくさんいるのだなと実感します。
おそらく、実際には、「過労死ライン」の残業時間を越える程働いている人でも元気に働いている人がいるのでしょうから、ひどい労働環境で苦しんでいる人は、もっと多くいるのではないでしょうか?
日本人は、転職を良いことだと思っていない
日本人が、死ぬまで働いてしまう原因の一つに、「会社を辞めると次に行くところが少なくなる。」ということがあると思います。
有名な企業であればある程、新卒で入社した後、その企業で定年まで働き続けることが今でも大変なステータスと考えられていると思います。
有名企業では、転職歴、はせいぜい1,2回までで、それ以上転職回数があると面接に呼ばれなかったり、採用に不利になると言われています。
そしてこのような考え方から、どんなに嫌な会社でも辞めずに我慢する人がたくさんいて、ますます転職する人は、「会社を辞めると次に行くところが少なくなる。」という現象が発生すると考えられます。
日本人は、死ぬくらいの気合で働くことを美徳だと思っている。
私は、以前の上司から、「死ぬまで働け」と言われたことがあります。
実際に、そこまでパワハラ的な発言をする人も昨今では少なくなっていると思います(企業のコンプライアンス違反になるため)が、このような発言をする背景には、日本人は働くことを人生の優先順位1番にもってきている人が少なからずいるということだと思います。
でも、普通に考えて、会社に雇われている人が、仕事を人生の優先順位1番にするのは、ありえないことです。
なぜならば、会社での仕事は自分がやりたいからやっている仕事ではなく、生活するため、お金を稼ぐためにやっていることだからです。
人生の優先順位1番は、「お金を稼いで生活を維持し、生きていくこと。」であるはずです。
お金を稼いで生活を維持できるのであれば、仕事は何だっていいはずなのです。
アフィリエイトで稼いで、会社を辞めた方のブログで、会社員時代は、上司、同僚に白い目で見られようと毎日定時に帰って、他の仕事なり、レジャーなり、余暇を楽しんだりした。という方がいました。
私は、会社員時代、会社の仕事に本当に一生懸命取り組んでいましたが、今考えると、毎日定時に帰って、他の仕事なり、レジャーなり、余暇を楽しんだりした。方が良かったと思います。
まとめ
仕事をするのは、お金を稼いで生活を維持し、生きていくためだと思います。
死ぬまで働くことは、本末転倒なので、この会社(組織)にいたら死にそうだと感じたら、即座に辞めた方が良いかと思います。
P.S
「会社を辞める。」、「転職する。」は、自分の判断で行うのが良いと思います。ですが、あまりにも長時間労働をしていて命の危険がありそうな状態であれば、即刻辞めた方が良いです。人生の目的は、生きていくことで、仕事をすることではないと思います。