今回は、プロジェクトリーダーさんが、プロジェクト進行中に顧客から相手にされなくなったお飾り社長から受けたパワハラ体験談をご紹介してみます。今回パワハラに対抗できたのは、プロジェクトリーダーさんの顧客が困る程の圧倒的な仕事の実力のおかげだと思われます。まあ、一度、辞職を申し出ているので、圧倒的な仕事の実力があればパワハラに勝つこともあるという程度だと思います。お飾り社長さんも何故、仕事の邪魔をするようなことまでするのか?やはりプライドとか嫉妬とかなんでしょうかね?

プロジェクトが進行し顧客から相手にされなくなる社長

私は以前、非常に大きなプロジェクトのリーダーを務めていました。業務は非常にキツかったです。また難易度も高かったので、全ての業務がうまくいっていた訳ではないのです。正直、色々な失敗もしながらですが、プロジェクトメンバーは非常にチームワークも良く、顧客からの評価も上々でした。

なお、そのプロジェクトは名目上、私の上司である社長が監督者となっていました。監督者、といっても何も実際の業務はしません。ただ顧客との会議があるときは、一緒に同行し、特に発言もせず、話を聞いているだけです。プロジェクトが進行し、顧客からの評価が高くなると顧客から「今回のプロジェクト、プロジェクトの皆様には本当に頑張ってもらってありがたい限りです」とお言葉をいただくことも多くなりました。

そういう席で社長は「いやー、私も監督者としてきちんとプロジェクトメンバーの活動を監督しています。結構大変なんですが、私も頑張っています」等と自分の手柄を顧客に対し、アピールし始めました。最初はそのようなうわべのアピールに「ええ、そうですよね、社長のおかげもあります」等顧客も相槌を打っていましたが、徐々に社長を相手にしなくなりました。そのうち、「社長はお忙しいでしょうから打ち合わせに来ていただく必要はありません」と顧客に煙たがられるようになりました。

社長のパワハラ

そんな空気を察し、社長は私に徐々に攻撃を加えるようになってきました。色々と失敗もあったのですが、それまでは失敗があっても「大変だね」位しか言わなかったのに、徐々に「君、ここは本当に大丈夫なのか。リーダーである君がしっかりしていないから心配だよ」等他の社員に聞こえるように私に辛辣な言葉を浴びせるようになってきたのです。

ただ、私は丁寧にプロジェクトの進捗状況の説明を行っていましたが、あるとき、また小さなトラブルが発生した際、対応策についてプロジェクトメンバーで討議していると、あるメンバーが、あ、と驚きの声を上げました。何かと思い、彼のパソコンの画面を見ると、なんと社長が「○○プロジェクトは今、こんな失敗を犯している。プロジェクトメンバーの能力不足が原因であり、会社に迷惑をかけている。他の社員はこういう失敗をしないように気を付けてくれ」とメールを全社員に対して送っていたのです。

そのメールを見て「この社長のメールは何ですか?僕らが会社の足を引っ張っているみたいじゃないですか」とメンバーは落胆しました。私はすぐに社長の元に行き、「さっきのメールはひどいですよ。プロジェクトの失敗はリーダーである私の責任です。非難したいのであれば私を叱責すれば良いじゃないですか。プロジェクトメンバーのやる気を落とさないでください。他に我々のプロジェクトよりうまくいっていないプロジェクトがあるのに何故我々のプロジェクトだけこんな仕打ちを受けるのか説明ください」と言ったところ、「私は社長だ。私の判断に文句を言うな。顧客にちょっと褒められているからいい気になるな」と開き直ってきました。

退職を告げるが引き留められる

「では、私はプロジェクトの失敗の責任を取って辞めます」と言ったところ、それは仕方無いね、とほくそ笑みながら社長は言ってきました。私は事務所に戻り、辞職することをメンバーに告げました。また顧客にも事の成り行きを説明し、辞職する旨を伝えたところ「それは困る」と社長にクレームを入れると言ってくださいました。

結局、顧客だけでなく、メンバーからの強い引き留めもあり、結局会社に残ることになりました。社長も顧客から相当クレームを入れられたと噂で聞きました。それ以来、私と社長の関係は思いっきり冷え切ったままですが、プロジェクトも無事完了しました。その後、社長は顧客との関係改善ができず、辞職に追い込まれました。