今回は、匿名会社員さんが、情緒不安定の上司から、上司のストレス発散のためにパワハラを受け続けた体験談をご紹介してみます。パワハラ問題は、人事が、見るに見かねて匿名会社員さんを他のプロジェクトに異動させることで解決したそうです。クビになる覚悟で、パワハラ上司を完全無視したことも異動という結果に繋がったかもしれません。その後、パワハラ上司はリストラされたようですので、成果を出さずにパワハラだけする上司は会社としても要らないということでしょう。

パワハラ上司の下に異動決定

私が今の会社に転職し間もない頃です。部署が変わり、新しい上司の下で仕事をすることになりました。その上司は普段は冗談をよく言う陽気な人なのですが、何か気に入らないことがあると社内に響き渡るような大きな声で怒鳴り散らす二面性を持った人でした。彼の下に異動が決まった際、先輩社員から「あの上司に何か言われても気にするな」とアドバイスを受けました。

異動した当初は特に問題無く、仕事を無難にこなしていました。ただ、上司があるプロジェクトの責任者になることが決定しました。彼にとって初体験となるような大きなプロジェクトで、非常に彼自身からもプレッシャーを感じるのか、彼の情緒が非常に不安定になってきました。そして、まず彼の情緒不安定の餌食になったのは、彼より少し年下の先輩社員です。

その先輩も経験は豊富であったので、上司の意見に対し「これに対してはこういう対応をしてもいいんじゃないの?」等、意見することが多々ありました。私のような下の人間からすると、その先輩の意見はチームメンバーとして、もっと仕事を良くするためのアドバイスにみえたのですが、上司からするとその先輩社員は中々自分の言うことを聞かない不満分子、になってしまいました。

そして、チーム内の会議がある時も「あいつは会議に呼ばなくていい」とかその先輩を外す動きをし始めました。会議で先輩社員が何か発言しようとすると意見を聞かずに「うるせえ!」など怒鳴ることも多々ありました。先輩社員はそんな雰囲気に嫌気が差し、程なくして自らプロジェクトを離れていきました。

パワハラのターゲット変更

そうすると、次の彼のストレス発散のターゲットは私になってきました。彼は飲むのが好きで、午後8時くらいまで残業をしていると飲みに誘ってきました。最初は陽気な話ばかりなのですが、酔いが回ってくると「俺は若い時、こうだったぞ。お前は甘いな」など自慢話から始まり、終いには「お前、仕事舐めているだろ。ふざけんな」等罵声を浴びせ始め完全な絡み酒になります。

あまりに怒鳴り、他のお客さんからクレームが出て、お店に平謝りしたことも数回ありました。私は下戸でアルコールが飲めない体質なのですが、それも気に入らなかったようで、「お前は酒が飲めないからダメなんだ。だから飲め」とアルハラも何回も受けました。そのうち、昼間の業務でも私が書類を作成し、彼に確認を依頼しても、突然、「なんだ、この書類、ふざけてるのか」と私に書類の紙を投げつけてくるようになりました。

私が書類を拾い「すみませんでした。どこが悪いのか教えてください」と聞きいても、「うるせえ、自分で考えろ。」とまた書類を投げつけてくる、という事が多々ありました。その割にお気に入りの女性社員が多少ミスしても「○○ちゃーん、ここ、違っているよー。もうちょっとちゃんと見てねー。」と猫なで声を出しているような有様で、彼の横暴な態度には辟易してきました。

別の部署の上司が見るに見かねて、彼に注意したこともありましたが逆効果で、あとで「お前、あいつにチクっただろ。なめんじゃねーよ」と罵声を浴びせられました。私もストレスが限界に達してきたのか、ある時から朝食を取ろうとすると吐き気が止まらなくなりました。そして、会社に来ると心臓の鼓動が異様に激しくなり、気分が悪くなる時が多くなりました。

堪忍袋の緒が切れ完全無視

ある日、また彼に書類を投げつけられた時、完全に堪忍袋の緒が切れました。投げつけられた書類を拾うことは止め、そのまま自分の席に座りました。彼は「おい、拾え!」と怒鳴りましたが、私は完全に無視しました。彼はヤバいと思ったのか、書類を持ってきて、「俺はこうしろ、って言ってんの」と怒鳴りながら説明を始めましたが、無視し続けました。

その瞬間は、もうクビになってもいいと思っていました。その後、私は他のプロジェクトに異動になりました(人事ももう私の限界と思ったようです)。彼はその後、プロジェクトがうまくいかなくなり、リストラに遭い、会社を去りました。今はどうしているのか知りません。