今回は、元中小企業社員さんが、スーパーブラック企業で無差別なパワハラに辟易したお話をご紹介してみます。ブラック企業だったので、突然、トンズラしてパワハラ問題を解決したそうです。スーパーブラック企業なので、「入社時と労働条件が違う」、「強制サービス残業」、「全く違う職種への強制変更」、「給料未払い」などが行われていたようです。後に、このブラック企業は、倒産したようなので、会社を長く存続させるためには、パワハラは、百害あって一利なしといったところでしょうか?

入社時の条件とかけ離れた労働条件

私は現在30代で、北海道で主婦をしています。パワハラに悩んだのは20代なかばに努めていた中小企業でのことでした。その会社では私だけをターゲットにするというよりは、慢性的に社員全体に社長からのパワハラがありました。全員、入社時の条件とは、かけ離れた労働条件で働かされ、定時で仕事が終わって帰宅しようものなら罵声の嵐!

仕方がないので皆無理矢理残業をしていましたが、勿論残業代なんてつきませんでした。次第に社長からの要求は激しくなり、月々の営業ノルマはどんどん無理な数字に…しかも本来、営業職ではない事務職にまで同等のノルマを課すという暴挙に、辞めたいと訴える社員が相次ぎました。最初に辞めると上司に告げたのは私の先輩でした。

次々と辞めていく社員

先輩は男性で、生活もかかっているのに安月給で拘束時間だけ長い会社になど居られないと転職を決意し、きちんと手順を踏んで辞める手続きを取ったのですが、それを社長は許しませんでした。辞めると言った日から先輩へのいやがらせは酷いもので、給料日に給料が振り込まれないといった違法と思われる行為まで実行されました。結局、先輩は初めに退職すると申告した日を待たずに会社に来なくなりました。

その件を見ていた他の社員たちは私も含め今後に強い不安を抱き、一人二人と辞めていってしまいました。勿論正直に退職願を出そうものなら酷い扱いを受け、時には全く畑違いの部署に急にヘルプに駆り出され、そこでもノルマをこなさなければいけないといういやがらせを受ける人もいましたので、何人目かが辞める頃にはもう誰にも告げずに辞め、急に連絡がつかなくなるという方法を取ることが一番の解決策になっていました。

真面目な社員ほどうつ病になったり体を壊していき、私も本来の業務ではない仕事ばかりを強引にノルマをあてがわれやらされる日々に疲れてしまい、他の社員のように辞めてしまおうと考えていました。辞めると言った人には皆給料は支払われなかったようだったので、給料日に振り込まれるのを待って辞めることに決めました。

数カ月分貰えなかった社員もいることを考えると、締め日の都合で1ヶ月分はタダ働きになってしまうのは最小限の被害だと自分に言い聞かせました。同じ課の親しくしていた同僚にだけはひっそりといつ居なくなるつもりかを伝えて、その後の業務に支障が出ないよう引き継ぎもしておきました。そして、会社やその関係者からの連絡先を着拒して、私はトンズラしたのです。

裁判所を通して会社に文書を送付

後日、会社からは「辞め方が異常、訴えるぞ」といった内容の文書が届きましたが、こちらも支払われていない残業代や給料について、タイムカードや給与明細を持って労基署に相談していたので、それを盾にこちらこそ訴えたいと思うと裁判所を通して文書を送りました。会社は当然のようにこちらから裁判所に呼び出した日をスルーして、相手にされませんでした。

逆に向こうから最初に言ってきたような訴えてくるようなこともありませんでしたが…他の辞めた社員の何人かも同様に会社に訴えると文書を出したようですが、全員私と同じく無視されてしまったようです。何度か文書を送ったもののなしのつぶてで、裁判所からもこの調子だとただあなたが精神的にも疲れてしまうだけだと言われ、泣き寝入りをすることになりました。

ただ、この件は単なる個人へのパワハラにとどまらずに会社としての対応もどうかと思われるもので(トップの社長がしていることだから当然なのかもしれませんが…)ブラック企業として労基署にも目をつけられ、他にも私が辞めた後に色々とやらかしていたようで、後日、会社はなくなってしまっていました。

したたかな社長なので別の会社を作ってのうのうと暮らしているのかもしれませんが、苦しめられた会社自体はなくなったので、完全にスッキリは出来ないものの、早めに見切りをつけて逃げ出しておいてよかったと思っています。