今回は、30代製造業さんが、家族経営のやりたい放題の会社で「灼熱地獄の職場で働かされたり」、「何度も侮辱されたり」、「退職時の給与支払いがなかったり」したブラック企業体験談をご紹介してみます。退職し受けていた暴言の数々を録音していたボイスレコーダーを役所に提出して問題解決したそうです。本事例のようなケースは、パワハラというか犯罪レベル(脅しとかの部分)に近いので、ボイスレコーダーで録音したり、即座に辞めたり、役所、ハローワーク、労働基準監督署、警察、などに相談した方が良いかと思います。

やりたい放題の会社

30代男性、製造業。関東在住です。 
以前に勤めていた食品会社での出来事です。

私は19~24歳までの5年間厚焼き玉子を中心とした玉子料理を製造販売をしている会社で、メインである厚焼き玉子の製造を担当していました。この会社は社長が父親、専務が長男、常務が次男、部長が三男と家族で経営している会社だったのでまさにやりたい放題の会社でした。
 
仕事内容は、調味料を加えた液状の玉子を3つ連なった四角い鉄鍋を1セットとし、合計40セットのとある鍋に流し入れ、1週10分の間に焼きあげるという内容でした。ほとんどの工程を機械が自動で行い、作業員は異物の混入や生焼けの有無、作業中に機械の不具合がないか、焼き上がりの最終状態の見極め等のチェックに神経を尖らせていました。
 
しかし、古い機械なのであちこちに不備が見られ、日に何度も作業中の機械を停止しメンテナンスが必要でした。これらの作業をする室内は完全に密室で行われます。焼くためには当然火を使用しているのですが、機械の大きさは3×8メートルという規模でこの範囲全体にガスバーナーが設置されています。

灼熱地獄の職場

なので、室内温度は異常なくらいに高く冬場でも50度を超え、夏場になると5分で作業服がびしょびしょになります。しかし、体感温度はさらに高く、ガスバーナーは鍋の直ぐ真下にあり、常に鍋の上に体を乗り出しての作業をしている人間の体は直火に炙られる事にもなるので作業服が焦げるほどの熱を感じながらの仕事になります。

ですが、これだけの過酷な環境の中でも社員に対する会社の対応は粗末な物でした。それだけの灼熱の室内にもかかわらず冷房などの機材の投入は一切なし。売り上げを伸ばすために次から次へと注文を受けるため、朝6時から深夜0時までフル稼働。それだけの時間の労働時間に対し休憩は午前午後、昼の3回のみ。経費削減のため作業員は常に3人が必要とされる環境にあっての4人のみ。
 
この内容で月~土までと働き詰めなので当然体は悲鳴を上げます。しかし、これらを訴えても上司は「泣き言を言うな」の一点張り。私たちの担当上司は専務なのですが、仕事場に姿を現すことは月に1度でしかも数分のみ。後は冷房が利いた事務所で1日中パソコンでゲームをしています。それなのに社員の言葉には耳を傾けようとはせず、体の不調の際は作業員の自己管理を徹底的に責められます。

先に述べたとおり、私の部署は灼熱状態。そのために熱中症の症状が現れ、仕事以外でも常に体全体が高熱を宿し、意識は常に朦朧としており腕には震えも見られます。医者にもこのままでは命にも関わってくることになるとまで言われました。しかし、それを伝えた専務から返ってきた言葉は「仕事を舐めるな。文句を言う暇があるなら仕事をして死ね」と、はっきりと言われました。

地獄のパワハラ

その発言を機に、自分に対する圧が強くなりました。次の日の朝出社すると、専務がいたので挨拶をしたら「カスは喋る権利はない。早く死ににいけ(仕事場にいけ)」と開口一番に言われました。仕事も自分が休憩に入ろうとすると専務が降りてきて、交代要員の社員を用事があると連れ出し、そのまま数時間も帰ってきませんでした。

その間の休憩は当然無く、10時間の間灼熱の部屋に拘束されました。ボーナス時には会議室に一人ずつ呼び出され手渡しされるのですが、自分が呼び出され渡されたのは封筒に入ったスーパーのチラシに付いている割引券と、ノートの切れ端のような紙に手書きで「いちまんえん」と書かれた物が数枚入っていました。

いい年した大人が、しかも仮にも幹部職に付いている人間のあまりにも程度の低い行いに唖然としていると、「嬉しいでちゅか?お金でちゅよ。それで頭の病院でも行きましょうね」と続け、その場にいた常務と部長と3人で爆笑していました。その後も、作業服が自分の物だけゴミ箱に入れられていたり、出勤時に使用していたバイクのタイヤがパンクさせられていたりと行動はエスカレート。

仕事自体は実績があり、売り上げに大きく貢献し昇進条件は満たしていたのですが、昇進が伝えられる時期になると「汗臭いから見送る」との対応。最終的には部長は過去プロボクサーだったのですが、専務から「いつでも部長に言ってお前をボコボコにすることもできるんだからな?」と言われ、この時に退社を決めました。

ボイスレコーダーで録音した会話で復讐

その旨を伝えると「家の住所を知っている。何時でもどうこうできるんだぞ」と認められなかったのですが、構うことなく会社を去りました。当然のように最後に働いた分の給料の支払いはありませんでしたが想定内でした。ちなみに、上司からの誹謗中傷などが始まってからはボイスレコーダーで会話を録音していたので、それを市に提出し自分が受けたパワハラ内容を伝えました。

ほどなくして仕事仲間だった友人から連絡が入り、会社にメスが入ったとの事で専務をはじめ幹部3人には処分が下されたそうです。