今回は、40代会社員さんが、パワハラ上司から「ミスを誘発するような指示を出されたり」、「過小評価されたり」、「的外れ過ぎる指導をされたり」したパワハラ体験談をご紹介してみます。パワハラ対策としては、パワハラの記録をすべてメモしておりたり、辛い状態を我慢するために心の持ち方の勉強をしたりするのが重要とのことです。個人的には、心の持ち方については、アルボムッレ・スマナサーラ長老の仏教関連の本を読むと良いかと思います。
ミスを誘発するように指示を出す上司
40代男性で千葉県で会社員をしています。
私の場合はまだまだ軽度な方かもしれません。しかし、現在もまだパワハラを継続的に受けている状態です。
まず、日常的なことでは報告のメールに対して全く返信がないことは日常茶飯事。それどころか「メールが届いていない」と言い出すこともしばしば。
上司からの指示事項も他の社員を介して行われることが多く、しかも追加指示や複数の人間からの重複指示など、混乱を招くケースが多々あります。まるでミスを誘発するように指示を出しているかのようです。
上司に心底がっかりする毎日
モラルを引き合いに注意を受けることもありますが、あまりに独善的でその場限りの通達が多く、自分を含む特定の社員を指して「デスクで朝食をとらないように」とお達しがあったり、「カラーコピーは使用禁止」などあまりにも現実に即さない指示も飛んできます。
過小評価も甚だしく、いかに普段から私の仕事を見ていないのか分かるほど“的外れ過ぎる指導”が面談の度に繰り返され、上司がいかに仕事に対しても私に対しても全く興味がないことに気付かされて心底がっかりしました。
また、その上司や私の直属の上司を介して緊急でもない確認事項をわざわざ私の公休日を狙いすまして電話がかかってくるようになりました。そのため、プライベートな時間でも一瞬で嫌な記憶がフラッシュバックし、憎悪がとぐろを巻くような状態に陥ることも度々でした。
日々、仕掛けられるトラップに疑心暗鬼に陥り、誰に対しても言葉の裏を読むようにもなりました。その上司に関係する社員が私に伝達してきたことや些細な行動にも何か含みがあるのではないかと他人を疑い続けるようになり、これがトラウマなんだなと自覚するのに多少、時間がかかりました。
パワハラ自衛策
そんな中、その上司に関わった他所属の社員が鬱状態に陥り、退社したことを知りました。このままでは自分も心身ともにボロボロになってしまうと感じ、策を講じたのです。
手始めに万一の際に備えて上司から受けた嫌がらせはすべて書き残しておきました。
もしも、外部機関にパワハラ被害を証言する場合、明確な証拠が必要になります。「第三者がみてもよく分かるような記録を残しておくこと」というアドバイスをネットで読み、日時と内容を分かりやすくまとめるのですが、仕事に関係する場合、ニッチすぎると一読しただけでは伝わりにくいこともあります。
また、やり取りをレコーダーに記録しておく方法も考えましたが日常的に続けることは無理があるのでそれは断念しました。
その他、自衛のために「メンタルヘルス・マネジメント検定」という資格を取得しました。これは労働者が心の健康を維持するために制定された資格で、Ⅲ種は自身のため、Ⅱ種は自身や同僚、部下のため、Ⅰ種は経営者向けのメンタルヘルスについての取り組みを主眼とした内容になります。
本来ならば心の不調を訴えるべき部署や機関があるのですが、それを利用することもままならない状態に陥る前に学習、受験することで知識が自分自身を守ってくれているような気持になります。
我も人なり彼も人なり
そして、私の精神論ですが「人はいつか死を迎えるという点で一緒」「苦しい時が永遠に続くことはない」「職場は仕事をするための場所。私事はほどほどに」という3点を今一度、思い直しました。
どんなに腹の立つ上司や先輩でも、もし死んでしまったら両手放しで喜べるでしょうか。心無い言葉を吐き出すより、死に顔を想像して気持ちを諌めることも実際ありました。
苦しいことが永遠に続くことはない、というのは作家の岩井志摩子さんの言葉です。これは辛い時によく思い出しては気持ちを落ち着けました。
そして、仕事について。自分の感情が仕事を超えてしまうことは誰しもあることだと思います。いったい、何をするために会社に来ているのか。それすらも分からなくなったら、それが転職や異動のタイミングだと日々、感じています。