今回は、30代元医療事務さんが、院長から、「暴言を吐かれたり」、「辛くあたられたり」、「殺すぞと言われたり」したパワハラ体験談をご紹介してみます。パワハラ対策としては、ポケットに録音機をしのばせてパワハラの記録を取ったり、味方になってくれるスタッフを探したりすることが重要だとのことです。

気に入らないスタッフをクビにもっていく院長

30代主婦で関西に住んでいます。5年ほど勤めていた職場の話です。医療事務として個人クリニックで勤務していました。ほとんどクリニックの院長はクリニックの雇い主であり、私の職場では院長が気に入らないスタッフがいると、暴言を吐いたり辛く当たったり退職させる方向に持っていくか、それでも辞めなければその人がミスをしたのを良いことにクビに持っていく体制でした。

クリニックで働いた方は分かっていただけると思いますが、院長自身が「自分の言うことが正しい」と常に言っていました。自分がなにかミスや見落としをしていたとしても、笑って済ましたり、「受付が悪い」「看護婦が悪い」と人になすりつけるのもしょっちゅうでした。

逆に受付なり看護婦なり何かミスをしようものなら注意だけでは済まされず、大声で怒鳴られたり、物を投げたり、ブスだとか暴言を吐いてきました。

スタッフみんな院長の標的にはならないようにミスをしないように注意していましたが、こんな院長だったので辞める人も多くいつも少人数で仕事をしていて、またクリニックは駅前だということもありいつもすごく混んでいたのもあり、いつもバタバタしていてミスをみんな見落としてそのままカルテが院長のところへ行き、見つかって怒鳴られることも多々ありました。

やりたい放題の院長のパワハラ

また仕事が終わらなくて残業しているのは、自分たちが仕事ができないからという理由で残業代も出ませんでした。求人票に載っている給料の金額はまだ医療事務にしてはいい方だったのですが、いざ採用されると経験がないとかいろいろ理由をつけられて、表示されている一番低い金額よりも更に低い金額で給料を支給することも珍しくありませんでした。

昇給は少しはありましたが、それでもいつも夜遅くまで働いて月末月初は終電まで残っているのに残業代が支給されないのは、スタッフみんな陰で文句を言ってました。そのなかでも一番ひどかったのは「殺すぞ」と言われたときです。

私が耐えきれなくて退職届を出したときなのですが、すぐ却下され、私はその前にも何度か退職届を出してたのですがずっと受けいれてくれなかったので今度こそはとしつこく言っていたのですが、しつこかったのか院長がいきなり怒鳴って仕舞いには「殺すぞ」と言われました。

何年か前に辞めた先輩が「死ね」と言われたことがあるとは聞いていてそれでもびっくりしたのに、自分も同じようなことを言われるとは、しかも「殺すぞ」とまで言われて恐怖を感じました。

その言葉を言われたとき、診察室で私と院長だけしかいなかったのですが隣の処置室に看護婦さんがいて話を聞いてくれてたみたいで、もし最悪訴えることになったときは証明できるのと、その看護婦さんがもともとスタッフの味方ですが何かしら私に気をかけてくれたことがまだよかったです。

パワハラ対策はパワハラの記録を取ることが大事

いざとなったら医師会に告げ口したり、給料のことで労働基準監督署に通報したりもできたので、暴言を吐かれたとき用に常にポケットに録音機を持っていました。またタイムカードがない職場だったので、何時間残業したか記録も残っていなかったのでスタッフは手書きで何時出社で何時退社と記録していきました。

一番早く効果が出たのは手書きの出社退社時間の記入で、どこかのタイミングで院長に見せたときに残業代をあらためてくれて全部ではありませんが、少し多目に給料がもらえました。そのときまだスタッフはみんな辞めずに続けていた方で勤続年数が1年未満が多かった受付がみんな4年だったり5年だったり長くなってたのもあり、ある程度発言が許されたのだと思います。

暴言だったり院長の態度はあまり変わることはありませんでしたし、他のスタッフに労働基準監督署なりどこかに告げ口なり訴えたりしないのか?と聞いたこともありますが、みんな口を揃えて「それで職場がなくなる方が嫌」と言います。

パワハラ対策は味方になってくれるスタッフを見つけることが大事

たぶん院長もそれを知っててあんな態度を続けていたのもあったと思います。ですが、私に言った発言を他のスタッフが聞いてくれてて、院長がなにかまた私に言おうとしたときにはフォロー入れてくれたり、院長が明らかに悪いときは「それは院長が」と反抗してくれました。

院長もそれがあって、みんなに嫌われてる?と勘づいたのかもしれませんが態度が丸くなりました。結局は退職して、もう前の職場のことはどうでもいいと労働基準監督署に通報するのもやめました。

次の転職先では上司に恵まれてパワハラに悩むことはなくなりましたが、いざとなったら自分を守れるのは自分なんだと思いました。発言を録音したりもいいですが、他のスタッフさんに相談したりして味方になってくれる方を見つけた方がいいと前の職場でつくづく思いました。