今回は、元市役所勤務さんが、リストラされた体験談をご紹介してみます。仕事を辞めるか休暇から復帰するか選択を迫られたり、病院の先生に圧力をかけられたり、した後、市役所を退職したそうです。
めまいや頭痛などに悩まされる
私は、7年前まで、市役所に勤務していました。
新卒で採用されてから17年、私なりに、仕事を頑張ってきたつもりです。
ところが、仕事を辞める2年前ぐらいから、めまいや頭痛などに悩まされるようになってしまいました。
病院に行っても、はっきりした病名が分かりませんでした。
ただ、頭痛や、めまいを和らげる薬をもらって、飲みながら、仕事をしていました。
残業で夜8時頃まで、仕事をする毎日が続いていたある日、私は激しいめまいと、頭痛で、出勤できなくなってしまいました。
それで、お医者さんに診断書を書いてもらい、3ヶ月間、仕事を休みました。
それ以降私は、体調が悪くなったり、良くなったりを繰り返してしまっていました。
体調が良くなったら仕事に出る。具合が悪くなったら、また、仕事を休むといったことの繰り返しになってしまっていたのです。
行ったことがない部長室に呼び出される
そんなある日、私は、上司から呼び出されました。
「ちょっと、来てくれないか」とその上司は、私に、言ったのです。
私は、それまで、よく上司に「今、体調はどうだ?良くなったか?」などと、尋ねられ、定期的に面談を受けていました。
それで、その時も、私は、「また、定期的な面談があるのかな」と軽く考えていました。
すると、上司は、私を普段行ったこともないようなところへ案内したのです。
それは、部長室でした。
そこには、私の所属する部の部長と、課長、次長という、いわゆる会社の偉い人が、6人勢揃いしていました。
6人のうち、5人は、同じ部内ではあっても、部署が違うため、会ったこともない上司達でした。
仕事を辞めるか復帰するか選択を迫られる
私は、驚いて「えっ。何これ。今から何が始まるのだろう」と怯えつつ、言われるままに、座りました。
すると、いきなり、部長さんが私に、「君は、もう、病気で仕事が出来ないんじゃないのかね」といきなり、切り出しました。
私は、それまで、上司にそんなことを言われたことがなかったので、驚きながらも、「いえ。今は調子が悪いですけど、休んで静養していますし、医師の指示に従い、定期的に運動などもしていますので、良くなると思います。体調が良くなったら、仕事に復帰します」と答えました。
ところが、上司は、その私の言葉に耳を貸さず、それまでの2年間の間に、私が休んだトータルの日数を計算して、表のようなものを私に見せたのです。
そして、さらに、私に追い打ちをかけるように、 「君はこの2年間で、こんなに休んでいるんだよ。今、うちは財政が苦しいんだ。休んでいる間に、君に払う給料はもうない。今すぐ仕事を辞めるか、もしくは、今すぐ仕事に復帰するか、どちらかを選びなさい。一刻の猶予もない」と言ったのです。
私は、上司の突然の厳しい言葉に、たじろぎ、驚き、どう答えていいかわからなくなりました。
でも、「じゃあやめますとその場で即答するのもいけないな」ということは分かったので、「もう1か月、休ませて下さい。そしたら、必ず仕事に復帰します。もう少し、考える時間を下さい」と絞り出すような声で、答えました。
それでも、上司は、「いや。もう猶予はないんだよ」と続けました。
私が、どうしていいかわからずに、黙りこんでいると、部長の下の次長職であろうと思われる上司の1人が、「最近は厳しくて。市民からの厳しいメールが市役所宛にたくさん寄せられているんだ。君のこととは言わないが、仕事もしないで、休んでいる職員に、給料を払うべきでないといったメールが、多数、来ている現実があるんだ。だから、もう休んでいる君に、払える給料はない」と付け加えたのです。
私は、あまりのことに驚き、「わかりました」と力のない声で答えました。
診断書を書かないように圧力をかけられる
何日か経って、職場からまた電話がかかってきて、「君がかかっている病院に行ってもいいか?」と言われました。
私は、別に何も後ろめたいことはないので、「いいですよ」と答えました。
そして、2回目の上司との話し合いの時、上司は、「病院の先生と話をしてきた」とだけ、私に言いました。
その後で、私が病院を受診したら、病院の先生が、「申し訳ないけど。もう診断書が書けないんですよ」と私に言いました。
私は、その時、初めて、上司が病院の先生に、私の診断書をもう書かないように圧力をかけていたことを知りました。
私は、病院の先生にまで、そんな圧力をかける上司の行動が信じられませんでした。
とても卑怯な行為だと感じました。
市役所を辞めることを決意
病院の先生は、弁護士に相談するように、私に言ってくれました。
でも、私は、その時、「弁護士に相談して、事を大きくしてしまったら、もしかしたら、こんな上司だったら、私は、解雇されるかもしれない」と心の中で、思いました。
それで、私は、しばらく悩んだ末に、市役所を辞めることにしました。