今回は、元建築設備会社の会社員さんが、「放置されたり」、「ジェントルマンなパワハラ先輩から妻子がいるのに告白され、メールで何度も誘われたり」したパワハラ体験談をご紹介してみます。特に対処せず誘いのメールを無視しつづけていると偶然にも紳士的なパワハラ先輩に異動の辞令が出て、パワハラが解決したそうです。
新入社員を放置する会社
広島県に住む30代、専業主婦です。結婚前は都内で正社員として会社勤務をしていました。勤めていた会社は、いわゆる「サブコン」といわれる建築設備会社でした。察しのとおり社員は8~9割は男性。それでも昨今の女性の社会進出の波を受けて、その昔よりは女性社員の採用も増えたと聞いています。
女性社員だということ、それから「最近の若者」ということから、新入社員の頃から丁重に扱われていました。女性に限らず、男性でも「最近の若い子はすぐにやめてしまう」時代だったためです。丁重と言うよりも腫れ物に触るような扱いだったかもしれません。もっと言えば、あまり関わらないように「放置されている」と感じることも多々ありました。
叱咤激励してくれる上司がいないことも辛いものです。そんな状況下、同期もパラパラと次々に辞めていきました。毎月の人事のチェックが欠かせませんでした。これもある意味パワハラなのかもしれません。1日に誰とも会話しないこともあり、私も職場の居づらさを常に感じていました。
紳士的な先輩
そんなある日、違う部署から異動してきた男性社員がいました。年は私より一回り上で、体育会系の雰囲気漂う男性でした。それでいておしゃれで身なりもきちっとしており、海外勤務の経験もあるためか紳士的ないわゆるジェントルマンでした。
これまで放置され続けてきた私や、他の若い社員に、男女問わず世話を焼いてくれる、そんな先輩社員でした。物腰柔らかく、偉ぶったりせず、上司にも可愛がられ、若手社員みんなの良き先輩でした。それがある物件から私とペアを組んで仕事をするようになりました。
仕事の指示やアドバイスもとても丁寧親切で、若手の私の意見や疑問にも丁寧に偉ぶらず対応してくれ、とても話しやすい、仕事がしやすい相手でした。
しかしながら、今にして思えばこの先輩後輩らしからぬ関係性が後にトラブルを引き起こしたのかもしれません。
妻子持ちの先輩から告白を受ける
仕事で揃って外出をすると、自然とお茶をするようになりました。遅い時間帯になると直帰して食事をごちそうになることもありました。このあたりから私は若干の不安を覚え始めました。何日かすると仕事で外出する日ではないのに、食事の誘いがありました。
いくらジェントルマンの話しやすい先輩といえど先輩は先輩。断ることもできず承諾しました。行くお店が居酒屋・・・ならまだしも、ホテルのバー、顔なじみのフレンチレストランなど・・・。海外慣れしたお洒落な男性だからだろうと思いたいところですが、私の不安はさらに増していきました。
そしてあるときついにお店で告白を受けました。そして「今、妻は里帰り中で家にいない」と・・・。そう、彼は妻子持ちだったのです。その日は真に受けず笑い飛ばして流しましたが、翌日から会社のメールに誘いのメールが届くようになりました。
偶然パワハラ先輩から解放される
同期に相談して、その先輩社員を可愛がっている上司に相談しようかと思いましたがなかなかできませんでした。例によってことなかれ主義上司だったためです。メールや二人きりのときのことなので周囲には知られないパワハラ。
セクハラとは違う、断れない直属の先輩社員だという圧力をものすごく感じました。ただ、私もそろそろ結婚して退社することが決まっていたので、近々関係なくなるだろう、それまでの我慢だと思い、堂々とメールに返信もせず仕事だけはこれまで通り続けていました。
そんなあるとき、突然に解決される日がやってきました。なんと彼に異動の辞令が出たのです。それも海外勤務。ガッツポーズでした。ガックリと肩を落としている姿をよく覚えています。すぐに大人しくなり、異動までの短い期間、悲しそうな背中をしていました。神様が見てくれていたのでしょうか。偶然にもパワハラから解放された話でした。