今回は、元広報担当さんが、気持ち悪いパワハラ役員から受けたセクハラ被害についての体験談をご紹介してみます。パワハラ対策は、上司がセクハラ・パワハラしていると周囲に言いふらすのが有効だとのことです。パワハラ・セクハラの証拠がないので、会社や警察に提出できる物がなくなったらしいので、本気で訴えるなら映像、録音データなどの証拠を取っておくのが重要かと思います。
仕事にやりがいを感じていた
20代後半、女性、会社員です。
以前勤めていた地元東北の企業でのパワハラ体験をご紹介させて頂きます。
新卒で入社した企業は、地元では名前を聞けば知らない人はいないという公共交通機関。私は広報担当として勤務していました。主な担当業務は、企業と地元をホームページやテレビ、雑誌、ラジオなどで紹介して、利用客を増やすことを目的としたものでした。
そのため、頻繁に各部署へ顔を出し、取材や撮影の依頼を行っていました。入社2年目となった頃には、社員のほとんどが私を知っていて、気軽に話せるようになり、仕事もスムーズに行えるようになって、やりがいを感じていました。そんなとき、会社の中でも「異端」な存在だったパワハラ役員が、頻繁に声をかけてくるようになりました。
プライベートに踏み込んで来るパワハラ役員
はじめのうちは、「いつも頑張っているね」「今日も撮影?」なんて日常会話だけでしたが、徐々に「紹介してほしいお店があるから一緒にご飯に行こう」「今週末のイベントが面白いから一緒に行って記事にしなよ」と、業務時間外のお誘いが増えてきました。
そのときは、「取材」や「撮影」という名目があったので、ちょっとだけ嫌な気持ちを抱えながらも、断ることはしませんでした。むしろ、役員に気に入ってもらえれば、昇進のチャンスなんてのんきに考えていました。
そうしているうちに、徐々に要望はエスカレート。「SNSやってるならつながろう」「電話番号教えてよ」とプライベートなことに踏み込んできました。ここで嫌とも言えないと思い、最悪返事をしなければいいしと教えてしまいました。
すると、夜はもちろん、土日もずっと連絡が来るようになりました。「さすがにこれはちょっと…」と思い、「すみません、夜はゆっくり休みたくて」「友達といて気が付きませんでした」と距離を置くようにしていました。
しかし、それが反感を買ったのか、逆に火をつけたのか、「業務命令」を盾にますます追い込まれてしまいました。
パワハラ役員の策略
あるときは大切な顧客の接待という名目で、宿泊を伴う地元観光に私を同行させるよう、直属の上司に連絡がありました。そのとき、上司には正直に「プライベートな誘いも多くていやだ」ということを伝えましたが、業務だし、お客様の接待も仕事だということで、受け入れてもらえませんでした。
そして当日、いざ待ち合わせ場所に行くとお客様の姿はなく、「途中で合流するから」の一言。夜になっても合流する気配がなく、立ち寄る場所も観光地などではなく、どこにでもあるようなカフェやショッピングセンター。「これは仕事ではないですよね?」と聞くと、「今日は打ち合わせだから」と。
その人がトイレに行ったすきに、上司に電話で状況を報告しました。しかし、「本当に大切な顧客だから打ち合わせが念入りなだけだ、もしなにかあったときは逃げなさい」とのこと。何かあってからでは遅いのに……と思いつつも、移動中は極力仕事の話をするようにしました。
そして、宿泊施設について驚きの出来事が。「ここで予約しておいたから」とだけ聞いていたのですが、1部屋しか予約されていないのです。
気持ち悪いパワハラ役員
こんなことが広まったら、会社で何をうわさされるか分からないし、それ以前に今日何をされるか分からないと怖くなりました。ホテルの従業員に聞こえるよう大きな声で、「さすがに上司と同室は無理なので、空いている部屋を手配してください」と申し出ました。
運悪く空室はなく、「経費を無駄に使うな」と怒られる始末。「自費でいいです」と言ってそこを後にし、別のホテルへ逃げ込みました。
そのあとは電話やSNSで「一緒に飲もう」「彼氏とは一緒にお泊りするんでしょ」「僕は優しいよ」なんてずっと連絡が来続けるのです。そして、ついには自撮りの写真が届くように……。それも1枚ごとに服を脱いでいるのです。
気持ち悪くなって、もう翌日のお客様もどうでもいいと思い、自宅へ戻りました。
セクハラ・パワハラの証拠が消える
そして、その証拠をもとに会社に報告しようと思い、翌日出社しました。すると、電話の大量の履歴は残っているものの、SNSのメッセージなどは全て削除されてしまっていたのです。これでは警察どころか、会社にすら証拠を提示できなくなってしまいました。
前から相談していた上司は信じてくれて、相談に乗ってくれたのですが、役員ということもあり、誰も強くは言ってくれず、「次は証拠をとっておくように」とまた被害に遭えと言わんばかりの対応でした。
パワハラ対策は上司がセクハラ・パワハラしていると周囲に言いふらすのが有効
もうこれは我慢できないと思い、とにかく会社で言いふらしました。最初は話を盛ってるなんて言われることもありましたが、実は被害者は私だけではなかったのです。
若手の女性社員で数人の被害者がいたことで、やっと会社は対応を考えてくれました。その役員にどう伝えたかはわかりませんが、仕事で関わることはなくなりました。
その後も最初はときどき電話がきて、逃げた日のことがフラッシュバックされて怖くなってしまうことはありましたが、会社という味方ができたので無視し続け、次第に連絡がなくなりました。結局お咎めはなく、ずっと同じ役職に残ってはいるのですが……。
そのことが原因ではないのですが、転職を機に堂々と着信拒否やブロックし、今は平和な生活を送っています。