今回は、50代会社員さんが、飲みを断るという理不尽な理由で始まった上司からのパワハラ(仕事を干される、無視)をご紹介してみます。パワハラ対策としては、1.他人が出来ない技術を身につける、2.上司の飲みの誘いを断らない、などがあるそうです。
意外と優しくていい上司
50代会社員女で山口県に住んでいます。
もうずいぶん昔の話ですが、私がまだ独身で、30代の頃に転職した会社で受けたパワハラの話です。
その会社は地方の小さな建設会社でしたが、その会社に私よりも10歳くらい年上の上司がいました。
仕事は出来るようなのですが、周りの人からも変わり者と言われている人で、見た目の風貌も強面な感じで、私も「ちょっと苦手だな。」と何となく思っていました。
けれど、この上司がなぜか私のことを気に入り、まだ会社に入って間もない私に、いろいろ仕事を教えてくれました。
もともと仕事が出来る人なので、教え方もぶっきらぼうながら熱心で、おかげで同じころに入社した他の女性よりも、いち早く仕事を覚えることができました。
仕事を通じてその上司ともだんだん打ち解けて来て、私も「意外と優しくていい人だな。」と思い始めていたのですが、その矢先にその事件は起こりました。
パワハラ上司の飲みの誘いを断る
それは、ある日の夜のことです。
会社から帰り、夕飯も食べ、家で家族とくつろいでいた時に、その上司から電話がありました。
その電話の内容と言うのは、今一人で飲んでいるから、飲みに来ないかということでした。
私は元々お酒も弱く、めったに飲みにいくこともありませんでした。
また、せっかくくつろいでいる時にわざわざ出かけるのも面倒くさいと思いました。
そして、一番気になったのが、その上司の「一人で飲んでいるから。」という一言です。
実は、その上司は当時もう40代でしたが、まだ独身でした。
私にはつきあっている彼がいて、やはり上司とは言え、独身男性と二人っきりで飲むというのは気が引けました。
また、多少打ち解けてはいましたが、どちらかと言うと苦手なタイプの人だということに変わりなく、なので、そういういろいろな理由から、今から出かけるのはちょっと無理だとかいうようなことを言って、電話を切りました。
「ちょっと悪かったかな。明日、ちゃんと謝ろう。」この時、私は、明日謝ればいいだろう、くらいの軽い気持ちでいました。
けれど、これがパワハラ地獄の始まりでした。
パワハラ上司の飲みの誘いを断ると仕事を取り上げられる
その次の朝のことです。
上司と廊下ですれ違った私は、すぐさま「おはようございます。昨日は申し訳ありませんでした。」と頭を下げました。
すると、相手からは何も返ってきません。
私「すみませんでした。本当に、昨日は疲れてて・・・。」
上司「・・・。」
結局、上司は一言も何も言わず、去って行きました。
そして、その後部屋に入ると、上司が私のデスクで何かしているのが見えました。
「えっと、何でしょうか。」
すると、上司は、「この仕事、今日から〇〇君にやってもらうから。」と、私が入社以来上司に教わって行ってきた仕事を、他の人に担当させると言い出したのです。
「えっ、でもそれは私が。」と私が言いかけると、上司は、「君はもういいから。」とその仕事の書類を、同じ時期に入社した同僚に渡しました。
私はあっけに取られ、同僚も何が何だか分からないという顔をしていました。
「もしかして、飲みを断ったから?」私は、まさかと言う思いでいっぱいでした。
パワハラ上司から完璧に無視される
けれどそれはまさかではありませんでした。
その日からその上司の完璧なまでの”無視”が始まりました。
言葉を交わすどころか、目さえ一切合わせようとしません。
仕事上でどうしても話をしなくてはいけない時などは、一切こちらを見ようとはせず、どこか他所をみながら、適当な返事をします。
当然、挨拶もありません。
また、仕事も私には一切回さないようにしました。
他の人がどんなに忙しくて手一杯でも、私には何一つさせようとはしません。
その上司が部署の長なので、その人が仕事を回さなければ、当然私は何もすることがなく、手持無沙汰です。
なので、「何か私にも出来ることはないですか。」
何度もこう言ってみましたが、相変わらずの完璧なまでの”無視”です。
いい大人が自分の地位を利用して攻撃するなどありえない
私は、その頃もう、ノイローゼでした。
会社に行ってもすることはないし、上司には無視される。
そして、その理由が上司の誘いを断ったという理不尽なものです。
40代にもなった男性が、飲みの誘いを断ったことで、部下を無視する。
自分の地位を利用して、攻撃する。
あり得ません。
このように大人げない上司に私は怒り狂いました。
辞めようかとも思いましたが、入社して間もないですし、その当時は30代で、なかなか正社員の職を見つけることも難しかったので、思い留まりました。
他の人が出来ない技術を身につけるのが有効なパワハラ対策
その後、私は、他にも自分が出来ることがあるはずだと考え、その頃まだ使える人が少なかったエクセルやアクセスの操作を覚えることにしました。
仕事がないので、時間はたっぷりありましたから(笑)。
その結果、他の部署の人からも仕事の依頼が来るようになり、社内では、一目置かれるようになりました。
もう、あれからずいぶん経ち、私は50代となりましたが、今でも会社では無くてはならない存在だと言って頂き、うれしく思っています。
例の上司は、5年前くらいに脳梗塞となり、半身に後遺症が残り、退職を余儀なくされました。
見かけたことがある人の話では、足が不自由そうで、ずいぶんと歳を取られていたということでした。
そんな話を聞くと、あのパワハラの日々も、今では水に流せる気がしています。