今回は、20代会社員(女)さんが、パワハラ課長から執拗な説教を受けたパワハラ体験談をご紹介してみます。パワハラ解決方法としては、1.コンプライアンス対策委員会に相談、2.ハラスメント相談室に匿名で相談、などがあり、外部のハラスメント相談室への匿名通報こそ確実なパワハラ対策だと思ったそうです。

パワハラ課長の執拗な説教

私は、20代の女性会社員です。甲信越地方に住んでいます。

会社は本社が東京にあり、全国に支社を持つ規模の大きな企業です。私が勤めている支社は50人ほどの規模ですが、所属している部署はわずか4名の小さな部署でそのトップである課長がパワーハラスメントの常連です。

具体的には精神的な攻撃が多く、社員が大勢いる中で叱責をしたり、長時間にわたって繰り返し執拗に叱りつけたりと、地味に長くパワハラをしてきます。

私を含めた部下4人に対して日常的に叱責が多く、また一度始まったら30分1時間と、どんどん時間が経過するほどしつこく叱ってきます。

話し方も高圧的で怖いのですが、課長の叱責が耳障りという理由で(表向きはこの理由は伏せていましたが)隣席している部署が違う島に席替えしたほど酷いものです。

私は精神的攻撃でも、暴力などの肉体的攻撃や隔離・無視といった人間関係からの切り離しに匹敵するくらい性質の悪いもので、許されてはいけないと思っていました。

自分がパワハラを受けることも、もちろん心外ですが、同僚が受けているのを見聞きするのも決して気持ちの良いものではありません。

ハラスメント相談室に匿名で相談

会社には、コンプライアンス対策委員会という組織があり、ここはハラスメント行為一切を断絶するための活動もしています。

また、外部の専門組織にもハラスメント相談室が委託されており、匿名でも通報できるとのことで、ここに相談をしました。具体的には会社のメールで証跡が取られないように個人メールアドレスから委託先のハラスメント相談室に匿名を希望し相談のメールを送りました。

パワハラは指導とハラスメントの境目が難しく何をもってしてパワハラと定義するかは状況により様々です。たとえ出発点の動機が指導であれ内容が行き過ぎてしまえばパワハラにも成り得ますし、私の上司はまさにこのパターンに当てはまると思いました。

自分の目の前のデスクに席がある部下をわざわざ自分の隣に1時間も立たせたまま口頭で叱責をしたり、萎縮してしまい小声になった部下に「聞こえない!」と何度も怒鳴りつけたり、指導に必要のない過剰な叱責が日々繰り返されていたからです。

このような状況をメールで細かく伝えるのは難しい試みでしたが、具体的な言動の内容や、それが起った日付など(とは言え毎日ですが)日記のようにとにかく事細かに記載してメールを送りました。

社員からのヒアリング調査後パワハラ改善

相談室からは数日で部署のより立場の高い上司に匿名社員からの通報として情報が渡りました。普段は支社に常駐していない部長が支社に訪れ、課内の社員全員と、部署に近い席の支社員数名も含めてヒアリングが行われました。

他の社員が、どのような回答をしたかはお互いに知らされませんでしたが、私は主にそれまで自分が受けたパワハラについて正直に話をしました。

隣席していた課外の社員からも「課長の発言で職場環境が悪くなっている」「見ていて不愉快だし耳に入ってしまい業務に差し支える」といった回答があったとのことで、本人には厳重注意が行われたとの結果報告が、後日、相談室からメールの返信としてありました。

その後、上司からの指導は改善され、高圧的な物言いや、きつい表現などは大分減って良くなったので、私は通報をして良かったと思っています。

外部のハラスメント相談室への匿名通報こそ確実なパワハラ対策

社内にある相談室へも通報はできますし、その方が状況説明も楽で話も早いのは確かです。

しかし、匿名性が保たれるかは、やや懐疑的だと思っています。その点、会社が外部に委託しているハラスメント相談室であれば、きちんと匿名性は守秘されます。

会社も第三者機関に対して、うやむやな対応は出来ないため、きちんと動いてくれるので、メールなどのやり取りは手間ですが確実なパワハラ対策が期待できます。最初は勇気が出ず戸惑いもありましたが、きちんと通報して良かったと思っています。