今回は、商社社員さんが、パワハラ女課長と闘ったパワハラ体験談をご紹介してみます。パワハラ解決手段としては、1.パワハラの証拠を収集し資料にまとめる、2.社内人脈を広げる、があり、社内人脈を広げて仲間を作ることが有効なパワハラ対策だったそうです。

どうしてパワハラ女課長との戦い

入社先は20人程の中小企業で、8割が男性、残り2割が女性というアットホームな雰囲気が印象的な商社でした。

そこで出会った女課長Aと私の5年間の戦いをお話し致します。

それは入社して一週間程たった時でした。

「ねぇ、どうしてウチの会社に来たの?」「どうして?どうして?」と、Aは「どうして?」を繰り返す「どうして女」だったのです。

普段の会話からはじまり、業務中には他人のミスを見つけては辺り構わず「どうして?」を連発するのでした。

辞めればいいと言うパワハラ女課長

入社当初は「ガミガミ頭ごなしに怒られるよりはマシか。」なんて思っていましたが、1年経っても2年経ってもAの「どうして?」は止む事もなく、3年目を迎えた春に長年交際をしていた彼と入籍をする事となりました。

それを機に、雇用契約を社員からパートへ切替て頂き、無理なく仕事を続けていける環境を会社から用意して頂きました。

するとAはお決まりの「どうして?」、それどころか「辞めればいいのに。どうして辞めないの?」と信じられない事を言い出して来たのです。

さすがに私も今回ばかりはAの発言を許せず、どんな権利があって辞めればいいなんて言えるのか社長へ相談をしました。

社長の回答は「そんな悪気はないんだけどAは言葉が足りないだけなんだよ。」と、何の解決にもならない結果に、正直もう会社を辞めようかとまで考えましたが、辞める位ならAも道づれにして辞めてやろうと決めたのです。

パワハラの証拠を収集し資料にまとめる

それからはパワハラで訴えるだけの証拠収集に資料作成です。

Aと会話をする際には常に携帯で会話の録音。

不道理な「どうして?」を言われた日は日記のようにメモをとり、極力必要以上に会話をしない。

1年の間になかなかの資料が作成出来ました。

そして、極めつけは社内での人脈を広げる事です。

社内人脈を広げる

A以外の人達にはより親切に笑顔で接し、自分を取り囲むだけの人脈を作りAの相談をしていける環境をジワリジワリと広げていったのです。

そうしていく中で、私と同じようにAに対する不満をもっている人達が、どんどん口を開き始めた時、私は作り上げたパワハラ資料を武器にAと戦える時が来たと実感しました。

辞める時、その日がAをパワハラで訴える日だと思って、今日まで我慢してきました。

資料も会話の証拠もある、あとは辞める日をいつにしようか。

でも、今私はこの会社を本当に辞めたいのかな?と、振り返ってみると社内の人脈を広げてきた事でAが孤立してるではないか。

入社して5年、Aなんかに言われた「辞めればいいのに。」の一言に火がついて、負けたくない、辞めるなら道づれにしてやると必死になってきたけど、私の周りにはたくさんの同僚がいて、朝から夕方まで面白可笑しく仕事をさせてくれる仲間が出来たじゃないか。

5年の間、Aを意識し会社に行きたくないなぁと思う日も数えきれない位ありましたが、休んで評価が下がるのは自分。なんでAごときの事で私の評価を下げる必要があるのかと思うと悔しくて、私は会社に行き続けました。

パワハラは交通事故

私の経験から言える事は、パワハラを回避するにはどちらか一方が会社を辞めるしかないのです。

辞める覚悟をいち早く決めて、辞めるまでの間をどう過ごすかが、現状を変えるターニングポイントになるでしょう。

私の場合は、人脈を広げ自分の居場所を見つける事が出来ましたが、本来のシナリオは個人でも入れる組合に加入し、パワハラで会社とAとを訴え、解雇にまで、もっていけたらというシナリオでした。

パワハラはどんなに自分に非がなくても、いつどんな時に降りかかってくるかわからない交通事故のようなものだと思いました。

交通事故も当て逃げされれば、とんだ貰い事故になり泣き寝入りする事となってしまいます。

交通事故と同様に、パワハラも証拠・証言が有力になることです。

少しずつでもいいので、まずは会話の録音から始めて証拠を収集してみると、不思議と前に進む力が湧いてきますよ。