今回は、40代元会社員(女)さんが、パワハラから脱却するために考えて行動してみたパワハラ脱却方法をご紹介してみます。パワハラ脱却方法として、1.利害が一致する社員を仲間にする、2.労働組合に言う、3.人事に相談、4.労基署に行く、5.ハラスメント相談窓口への相談、6.産業医の警告、7.上司の人事権を握っている部門への通報、等があるそうです。最終的に、パワハラ対策は、社内の部署を有効活用することがベストな方法であると感じたそうです。

パワハラが原因で退社

私は現在40代、中部地方に住む求職中の女性です。

求職中ということはつまり、私は以前は大手の某会社で事務をしていたわけですが、パワハラが原因で退社しました。

全く運がないことに「社内でも有名な困った上司」が3人いて、その3人が惑星直列並みの確率で、私が勤務する支店に異動してきたのです。

全員、毎日、意味のない恫喝、暴言、物を足蹴にする、社員を精神疾患に追いやる、残業手当を出さない、など典型的なパワハラを繰り返していました。

えこひいきが酷く、上司たちのお気に入りの人は、被害に遭いませんでしたが、他人が恫喝されるのを見ているのは、いい気はしなかったでしょう。

私がターゲットにされたのは、毎日段ボールをつぶしてさぼっている先輩が、勤勉(自分で言うな!ですが)な私と同じく男性同僚に嫉妬して、私たちが嫌われるように上司たちに悪口を吹き込んだことが原因でした。

私だけではなく、男性同僚もパワハラの餌食になりました。

どうして段ボールをつぶすだけの先輩が、気に入られていたのかは今でも謎ですが。

当時もどういう方法で、パワハラから脱却するか考えました。

パワハラ脱却方法の考察

1.利害が一致する社員を仲間にする

まず、これはとても重要ですが、利害関係が一致する同僚、先輩、後輩を味方につけておくことです。

愚痴のはけ口にもなるし、いざとなったらパワハラの証言もしてくれます。

ただ、どこで裏切られるか、わからない点、保身に走られると困るという点が、あるので人選には要注意です。

2.労働組合に言う

次に、組合に言うという正攻法。

会社によっては、組合がない企業もありますが、組合がある会社なら相談するのも一つです。

私も組合の分会長に相談はしました。

しかし、私は単純なことを忘れていました。

当時勤めていた会社の組合には、事態を是正する力がなかったということを。

かえって、組合がない人が、加入する地域の連合ユニオンなどの方が権利意識は強いかもしれません。

ただ、私の勤めていた会社の組合が、たまたま弱かったというだけで、権利意識が強い組合なら、下手な人事担当に相談するより、強力にバックアップしてくれるでしょう。

3.人事に相談

組合に言っても埒が明かない場合、当然のことながら人事に相談する方法があります。

パワハラしている上司と人事に癒着がない場合は、ぜひ相談した方がいいです。

しかし、私の例では、3人のうちの1人が、支店の人事の上司だったため、どうにもなりませんでした。

よくある「相談相手がパワハラの張本人」という最悪なパターンです。

4.労基署に行く

基本、パワハラなどの対人問題は、労基署に解決を求める問題ではなく、社内で何とかするのが基本です。

労基署が動く場合は、賃金未払い等の目に見える労基法違反を伴う場合です。

私の場合残業代未払いがあったため、今思うと証拠さえあれば、労基署に言うべきだと思ったのですが、タイムカードがない会社だったため、自分のメモ書きだけでは、証拠能力に乏しいのが痛かったです。

書類や録音物など、明らかな証拠がある人は、労基署に行くのも効果的です。

5.ハラスメント相談窓口への相談

結局、残すはいわゆる社内の「ハラスメント相談窓口」です。

必ずしも、どの会社にも設置されているものではないのですが、設置されている場合は、相談だけでもしてみるのもいいでしょう。

私も利用してはみましたが、社内と言っても支店内ではなく、本社の管轄のせいか、どうも他人事のように、対応に深刻さや親身さを感じない。

結局は、ここも相談するだけ無駄でした。

6.産業医の警告

比較的、打撃効果があったのは、「産業医の警告」でした。

私の支店に来ていた産業医は、割とメンタルヘルス的なことにも親身になってくれる良い医師でしたので、「パワハラを受けて精神状態が良くない」と相談しました。

その医師が上司に、どうもパワハラをしている人がいるようだが?と警告したら、しばらく上司どもはおとなしくなりました。

全くの第三者からの指摘というのは、意外なほど効果があります。

よく、マスコミに恫喝の録音をリークする人が、最近増えていますが、あの方法も「第三者を味方にする」作戦の究極だと言えます。

7.上司の人事権を握っている部門への通報

そして、解決の決定打になったのは、本社のハラスメント窓口ではなく、上司たちの人事権を最終的に握っている「統括支社の総務部門への通報」でした。

これも比較的大企業ならではの方法でしたが、結局は、その3人の生殺与奪を握っている部署への直接通報が一番効果があったということです。

これを思い立ったのが、その者たちに精神疾患に追いやられ、長期欠務を余儀なくされた人たちが、有志を募って、複数による通報を行ったことが功を奏しました。

私も仲間に参加させてもらいました。

これは解決法の最初に書いた、利害が一致する仲間を募った結果だとも言えます。

そのせいか、3人のうちの1人で、早期勧奨退社で辞めることになった上司は、再任用先が、老体に無配慮と言っていい僻地でした。

残りの2人も降格もしくは、栄転を装った「パワハラ不能の部署への異動」を余儀なくされました。

しかし、その3人が去ったのに、また、次に来た上司が理不尽で、もう疲れてしまい、結局、私は退社してしまいました。

次の就業先が、決まってなかったのが痛いですが。

パワハラ対策は社内の部署を活用することがベスト

今思うと、恫喝の証拠を録音し、労働相談の斡旋制度を利用して訴えていれば、違ったかもしれないと後悔しています。

タイムカードが、ないならメモでも証拠になったかもしれませんし、残業代の未払いは、被害者が私だけではなかったので、証言が得られたかもしれないし、少し詰めが甘かったです。

余談ですが、降格された上司が、その後、社内で刑事事件を別途起こして解雇されました。

パワハラをするような人はそもそも、基本的なモラルが欠落しているので、このように自滅する例もあるようですね。

自滅を待てない方は、会社の部署をまずは上手に活用することがベストです。