今回は、20代自営業(女)さんが、パワハラで解雇通知が届いた体験談から、パワハラに対処した方法をご紹介してみます。パワハラ解決方法として、1.労働基準監督署に駆け込む、2.味方を作る、3.証拠を集めて、直接会社に乗り込む、等があるそうです。
パワハラで解雇通知が届く
私は愛知県内に住む20代女性、現在は自営業をしております。
私のパワハラ体験談は、22歳の頃に入社した工業機械のオーバーホールの会社でです。
機械設計職として入社した私は、現場では唯一の女性でした。
ただ、設計事務所のある工場の隣に事務所があり、そこには3名ほどの女性事務員さんがいました。
その中の1人(A)さんは、明らかな社長の愛人でした。
そんな方も入社当初は、お客様に頂いたお茶菓子に呼んでくれたりと可愛がってもらっていました。
しかし、工場内では私が紅一点であったためか男性社員は気を使ってくれていたのが、(A)さんには気に入らず、だんだんと私は呼ばれることは無くなり、事務所が新設された際には、事務所の女子トイレを私だけは使うことを禁じられました。
そんな折、会社からの帰宅途中、私は交通事故に遭い大けがをしてしまいました。
会社へ連絡した時に電話に出たのが(A)さん。
(A)さんは一言、「労災は使えないので、別に診断書とかもいらないから」
その後、自宅療養中に2日前の日付で解雇通知が届きました…
社長は、事故に遭った報告はもらったが、どの程度のけがをしたのかの報告はもらってなかったので、私が無断欠勤をしていると判断し、解雇通知書を送りつけてきたのでした…
社長の愛人であるという立場(これは、社員全員が知っていることでした)を利用して、気に入らない社員を排除する、明らかなパワハラです。
解雇後の経緯
まず、私は解雇通知がいきなり届いたことに関して堪忍袋の緒が切れましたので即座に(といってもケガがある程度治ってから)労働基準監督署に駆け込みました。
まず、1か月前に本人に通知してからではないと解雇はできないのに事故に遭ってから2週間で解雇されたこと、労災は使えないと電話口で言われたことを説明して監督署の方に事の顛末を理解していただきました。
ただこの時に、証拠となるようなものがあればなお良いと思われます。
私は、Andoroid携帯のアプリで通話を録音するものがあったのでそれを入れていました。
本来は、交通事故に遭ったときに相手や保険会社とのやり取りの記録の為に入れていたものが役立ちました。
私が会社に連絡をした時の会話内容や、相手の高圧的な話し方を実際に監督署の方や自分の身内などの味方になりえる人に聞いていただいたのです。
ただ、録音された会話は一歩間違えるとプライバシーに関わることになるので、誰にでも聞かせていいことではないのを念頭に入れて必要な時だけ使うように注意が必要です。
そして、解雇通知書などの書類もすべて労働基準監督署の方に見ていただき、どのようにしたらいいのかをアドバイスいただきました。
ここで注意すべきは、労働基準監督署は会社に直接罰を与えたりするような機関ではないということです。
会社に注意をすることはしますが、決して介入してくれるわけではありません。
ただ、相談があったということを監督署が把握していれば後々のためにもいいですし、相手にとっても気持ちのいいものではありません。
そして、パワハラに必要なのは、味方を作ることです。
身内でも、友人でも、会社の信用できる人でもいいです。
それだけで少し勇気づけられます。
私は、現在の主人と父親が味方に付き直接会社に乗り込みました。
パワハラを受けた説明と、不当な解雇がなされたこと、それらを公的な機関にもすべて相談し、証拠も提出してあることを社長に説明しました。
会社に一人で説明していたら、上手くごまかされたりするだけです。
第三者も一緒に話し合いの場を設けることをお勧めします。
私の場合は、話し合いで解決し社長にも謝罪をいただきました。
ただ、気持ち的にもその会社を続けることは難しく、そのまま退社をして現在に至ります。
悲しいことに(A)さんからの謝罪はありませんでしたが…
話し合いで解決するにしても、被害者の方には相当なストレスがかかります。
できることなら加害者に会いたくもありませんよね。
被害に会っている方に忘れて欲しくないことは、必ず味方になってくれる方がいます。
会社の中にいなくても、その会社にいる人だけが全てでは無いです。
必ず味方を見つけ、公的機関や信頼のおける人にアドバイスをもらい、証拠をしっかり集めれば、パワハラに立ち向かう材料は揃うと思います。
あとは、被害者のほんの少しの勇気です。
パワハラを受けていることは、何も恥ずかしいことではありません。
むしろ自覚のない加害者が、一番恥ずかしいことをしているんです。
それくらいの気持ちで勇気をもって解決することをお勧めします。