今回は、60代元会社員(男)さんが、早期退職を迫られるパワハラを受けた体験談から、パワハラに対して解決方法を模索した結果をご紹介してみます。パワハラ解決方法として、1.会社を辞めて新たな活路を探す、2.パワハラに耐えてパワハラを行っている上司等が異動でいなくなるのを待つ、3.他の部署等に配置転換を願い出る、等が考えられるそうです。
早期退職を迫られるパワハラ
現在60代で、ある大手企業を定年退職した男性です。
私が57歳頃に所属していた事業部トップからのパワハラについて話したいと思います。
元々、その事業部のトップと私は部長になる時に競い合い、大方の予測に反して、その人が部長となったと言う因縁の深い人でした。
私の所属する事業部は、私が開発した商品が好調で、比較的経営状況は良い方でした。
しかし、全社的には経営は極めて苦しくなっており、全社的に一律早期退職が実施されました。
早期退職となれば、50歳以上で成績・評価が芳しくない人を狙い撃ちして行われるのが世の常です。
私の事業部での早期退職候補者が選定され、私もその中の一人となってしまったのです。
私が開発した商品によって、事業部の経営はまだ良好で、それに守られて事業部のトップは配転されずに済んでいました。
にもかかわらず、私を切り捨てようとしたのです。
早期退職を促すために、そのトップや人事等からパワハラを受け始める事になったのです。
11か月半の期間に肩たたきされたメンバーは意思表示をしなければならないのですが、リストに上がったとたんに、他のメンバー以上に私に対する集中的なパワハラが行われたのです。
意図は良く分かりませんが、成果を上げてそれなりに部下や同僚にも信頼が厚かった私が、早期に退職の意思表明をすれば、それを利用して早期退職を渋るメンバーの説得ネタとしようとしたと思われます。
仕事の関係でトップに報告したり、判断を求めても全く無視され、若者を伸ばすために、そろそろ引き時だと最初は、チクチクとしたいやがらせ程度でした。
しかし、次第にパワハラはエスカレートし、自分の開発商品がヒットして事業部の屋台骨を支えている事を良い事に上司の意思を無視し続けるのかと、早く早期退職の意思表示をしろと、迫り始めたのです。
トップ自ら嫌味を言い続け、仕事は奪い去られ、自分の息の掛かった事業部の部課長にも、私にパワハラを行わせたのです。
早期退職が募集された時、事業部の経営トップや、その仲間からパワハラで追い出そうとする動きがなければ、自分の開発した商品が事業部の経営を支えている事を花道として、会社を去っても良いとも考えていました。
しかし、パワハラで追い出そうとする行為には、さすがに腹が立ち、期日の最後まで粘り、場合によっては期日が来ても早期退職の意思表示をせずに、居座り続けてやろうかとも思いました。
すんなりと会社を去るか、居座り続けて事業部の経営トップや、その仲間に対して徹底抗戦するかの判断の期限が時々刻々と迫って来ていました。
第3の道がないかと色々と思案を巡らせていた時、他の事業部のトップから、こちらの事業部に来ないかと誘いを受けました。
その人とは、1年程度、事業部横断のプロジェクトで仕事を一緒にした事があり、私が早期退職にリストアップされ、パワハラを受けて追い出されそうになっている事を聞き付け、救いの手を差し伸べてくれたのです。
私はその救いの手を差し伸べてくれたトップの事業部に異動する形で、パワハラからも脱出する事が出来、結果的に60歳で定年退職を迎えるまで、勤め上げる事が出来ました。
この体験から、パワハラを受けた場合の一般的な身の処し方として、会社を辞めて新たな活路を探すか、パワハラに耐えてパワハラを行っている上司等が異動でいなくなるのを待つか、他の部署等に配置転換を願い出るか、置かれた状況に合わせて、選択すべきだと思います。
パワハラを受けるのは辛い事ですが、簡単にパワハラに屈するのもしゃくでしょうし、かと言って我慢を続けて、うつ病にでもなれば元も子もありません。
大きな企業なら、パワハラの事実を訴え、配置転換で救済を求めるのが、最も現実的な対策と言えるかも知れませんね。