今回は、40代会社員(男)さんが、精神的に疲弊するパワハラを受けた体験談から、パワハラに対して解決方法を模索した結果をご紹介してみます。パワハラ解決方法として、1.産業医の先生に相談、2.気を失って倒れる、等があるそうです。
精神的に疲弊するパワハラ
40代の男性で東京都内の通信機メーカーの企画部門で働く会社員です。
現在住んでいる神奈川県からオフィスまでは1時間強と関東圏内では恵まれた通勤環境と思うのですが、一時期、会社に行くことが辛くて、しばらく休職しようかと思ったほどでした。
それは、私が直属の課長からパワハラを受けていたからです。
どのようなパワハラかと言うと、自分のミスを係長の私や部下に押し付ける責任転嫁と、いつも昼間から罵声を浴びせる行為が続いたことです。
部長に対する自己PRにはとても長けている人間なので、私達への罵声は上の職責の人達からすれば、部下への厳しくも頼もしい指導にしか見えなかったのです。
今では、パワハラの問題がクローズアップされるので、課長からのパワハラも抵抗したり、組合に直訴すれば、解決できそうな感じもあったのですが、何分にもこの課長、組合の幹部までしていた人ということもあり、組合へ私達がこの状況で、相談しても全く解決できないように思えました。
しかし、このままでは私も精神的に疲弊してしまいますし、後輩や若い社員もますます参ってしまい、ついにはノイローゼになる部下も出てきたのです。
産業医の先生に相談
そこで手を打ったのは、まず会社の産業医の先生に相談して、専門のカウンセラーの人の診断を受けことでした。
これは私だけでなく、私の直属の部下にも受けてもらいました。
当時、私には3人の部下がいたのですが、彼らも直接、課長から精神的なハラスメントを受けており病む寸前だったので、カウンセリングを受けることについては、すぐに理解を示してくれました。
ここで、同じ時期に1つの課で私を含めて4人の社員が心理的な治療を余儀なくされる診断が出されたことで、課長に対する突き上げが出て来たのです。
日頃は課長と仲良く会話をしていた部長さえ、眉間にシワを寄せて、
「君は一体どんなマネジメントをしていたんだ?」
と大きな声で、課長を怒鳴りつけるような声が会議室から漏れ聞こえてくるのです。
そうあからさまに私達のことを社内で広める訳にいかなかったのでしょう。
部長が課長を会議室に呼び、1対1でのヒアリングと叱責だったのです。
それから課長はしばらく静かになったのです。
私達も通院したり、それぞれにしばらく休職することにしたからです。
しかし、それから半年くらい経ってから、やっと全員が復職し、以前のメンバーで仕事を再開することになったのですが、課長も待っていたとばかりに、仕事で何かと無理な要求を突きつけてきました。
具体的には、休職している間に仕事のルールや進め方をガラリと変えて私や部下に、ついてこれないような雰囲気にしていたからです。
長らく休職していたので、あまり文句は言えない立場だったかもしれないのですが、慣れない変更ルールの中での仕事の締め切り重視。
これで再び精神的に追い込まれて行きそうになります。
しかし、この時は私や部下は慣れないことから、深夜作業を無理に続けることで何とか新たな仕事環境でも、締め切りに間に合わせるようにしたのです。
しかし、数日経ってから、本当に部下が気を失い倒れてしまいましたが、過労でした。
とは言うものの、軽い過労だったことが後から分かったのですが、
「ここまで来たなら、倒れた方がマシだ」ということから、大袈裟過ぎるほどの倒れこみよう。
この光景には、一瞬驚いた私でしたが、それ以上に焦ったのが課長だったのです。
再びパワハラやマネジメント欠如を指摘されることを心配したのでしょう。
しかし、これがきっかけとなり、課長は組合からも突き上げを食らうことになりました。
さらには役員まで問題が伝わり、半年前に設置されたパワハラ委員会でも取り上げられることになり、課長はそれまでの責任を取らされて降格となったのです。